
「念願の一眼カメラを買ったぞ!……あれ、でもレンズって、これからどうすればいいんだ?」
カメラを手にしたときの高揚感も束の間、次のステップである「レンズ選び」のあまりの選択肢の多さに、途方に暮れてしまった。
かつての僕も、あなたと全く同じでした…笑
カメラ雑誌をめくれば「F1.8の明るい単焦点がおすすめ!」と書いてある。
かと思えば、別のページでは「200mmまで寄れる望遠レンズが感動的!」と紹介されている。

一体、自分にとっての正解はどれなんだ…。
「レンズを変えると写真が変わる、とは聞くけれど…」
「正直、何がどう違うのか、さっぱり分からない」
「高い買い物だから、絶対に失敗したくない!」
その気持ち、痛いほど分かります。
レンズ選びは、ただスペックを比較するだけでは不十分です。
これは、あなたが「これからどんな世界を撮りたいのか」を見つける、ワクワクする作業です。
この記事を読み終える頃には、あなたのカメラライフを輝かせる「運命の1本」を見つけることができますよ!
ぜひ最後まで読み進めてくださいね!
そもそも、なぜレンズ交換がこれほど重要なのか?


「ボディさえ良ければ、レンズはなんでもいいんじゃないの?」 そう思っていた時期が、僕にもありました。
しかし、それは大きな間違いです。
カメラボディが絵を描く「画家」だとしたら、レンズは世界の光を捉える「画家の目」そのもの。
レンズを交換することは、世界の「見方」を変えることに他なりません。
レンズへの理解を深めることで…
- 表現力が、向上する:スマホでは不可能だった、とろけるような背景ボケ。遠くにいる野鳥の羽の一本一本まで捉える解像感。レンズは、あなたの表現したい世界を、現実のものにします。
- 写真が、もっと奥深くなる:なぜこのレンズは広く写り、なぜあのレンズは背景がボケるのか?その仕組みを知ることで、写真撮影は単なる記録から、意図を持った「創作活動」へと進化します。
- カメラが、最高の相棒になる:レンズは、あなたの「撮りたい」という衝動を形にしてくれる、最も信頼できるパートナーです。新しいレンズを手にしたときの高揚感は、何物にも代えがたいものがあります。
レンズ選びのポイントとなる「2つのキーワード」


さて、ここからは具体的なレンズ選びのお話です。
その前に、これだけは押さえてほしい「2つのキーワード」があります。
これさえ理解すれば、レンズのカタログに記載してあるよくわからない数値や呪文もスラスラ読めるようになります。
1. 焦点距離(mm):世界を切り取る「画角」を決める
「〇〇mm」という数字で表されるのが「焦点距離」です。
これは、写真に写る範囲、つまり「画角」を決めます。
- 数字が小さい(例:16mm, 24mm):より広い範囲を写せる「広角」レンズ。壮大な風景や、狭い室内をダイナミックに撮りたいときに活躍します。
- 数字が大きい(例:85mm, 200mm):遠くのものをグッと引き寄せる「望遠」レンズ。運動会でのお子さんの表情や、近づけない動物を撮るのに最適です。
もし買ったときに「キットレンズ」が付いてきた場合は焦点距離を見てみてください。
「18-55mm」などの数字が書かれていませんか?



「もっと広く撮りたいな」と感じるなら広角レンズ。
「もっと大きく写したいな」と感じるなら望遠レンズと覚えるとわかりやすいかも!
2. F値(F):光を操り「ボケ」を生み出す
「F〇.〇」という数字で表されるのがいわゆる「F値」です。
これは、レンズが一度に取り込める「光の量」を示しています。
そして、このF値が小さいほど「明るいレンズ」と呼ばれ、2つの大きなメリットがあります。
- 美しいボケ感:F値が小さいほど、ピントを合わせた場所以外が、とろけるほど美しくボケます。主役を際立たせたいポートレート撮影などでは、絶大な効果を発揮します。
- 暗い場所に強い:光を多く取り込めるため、夜景や室内など、光が少ない場所でも手ブレを抑えたクリアな写真を撮ることができます。
「F値は、小さいほどボケる、小さいほど明るい」 このように覚えておけば初心者の方はOK!
レンズの種類
キーワードを理解したところで、いよいよ具体的なレンズの種類を見ていきましょう。
レンズは大きく分けて、2つのタイプがあります。
1. ズームレンズ:1本で世界が変わる「万能選手」


カメラ本体を購入したときに付いてくることが多いキットレンズ。
こういった画角を変えられるのが「ズームレンズ」です。
広角から望遠まで、レンズのリングを回すだけで様々なケースに対応できるので、旅行やスナップ撮影で大活躍します。
- 広角ズーム:風景や建築物をダイナミックに
- 標準ズーム:日常のスナップからポートレートまで
- 望遠ズーム:スポーツや野鳥、飛行機など遠くの被写体
特に、広角から望遠まで1本でカバーしてしまう「高倍率ズームレンズ」は、「レンズ交換は面倒だけど、色々な写真を撮りたい!」というあなたにとってぴったりの一本です!



僕も16-35mmや20-70mmのズームレンズを仕事でバリバリ使っています!
2. 単焦点レンズ:表現を極める「芸術家」


ズームができない、画角が固定されたレンズが「単焦点レンズ」です。
ズームレンズと違って一見不便に思えますが、その構造のシンプルさゆえに、ズームレンズにはない2つの強烈なメリットを持っています。
- 圧倒的な高画質:レンズの作りがシンプルなため、光を真っ直ぐセンサーに届けることができ、息を呑むほどシャープでクリアな描写力を誇ります。
- 美しいボケ感:F値の小さい「明るい」レンズが多く、ズームレンズとは比較にならないほど、とろけるような美しいボケを生み出します。
被写体に合わせて自分が動く必要はありますが、その手間を補って余りあるほどの「作品」を撮ることができます。
それが単焦点レンズの魅力です。
失敗しない!購入前に確認すべき「3つのポイント」


「よし、撮りたいものも決まったし、レンズを買いに行こう!」
でも、ちょっと待ってください!
高価なレンズを買って「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、確認すべきポイントが3つあります。
- マウントは合っていますか?
- カメラとレンズを繋ぐ部分を「マウント」と呼びます。これはメーカーやシリーズによって規格が全て異なります。CanonのカメラにNikonのレンズは(基本的には)付きません。自分のカメラのマウント規格を必ず確認しましょう。
- カメラとレンズを繋ぐ部分を「マウント」と呼びます。これはメーカーやシリーズによって規格が全て異なります。CanonのカメラにNikonのレンズは(基本的には)付きません。自分のカメラのマウント規格を必ず確認しましょう。
- センサーサイズは大丈夫?
- カメラの心臓部であるセンサーには、大きな「フルサイズ」と、少し小さな「APS-C」があります。APS-C専用設計のレンズをフルサイズカメラで使うと、写真の四隅が暗く写ってしまうことがあるので注意が必要です。
- カメラの心臓部であるセンサーには、大きな「フルサイズ」と、少し小さな「APS-C」があります。APS-C専用設計のレンズをフルサイズカメラで使うと、写真の四隅が暗く写ってしまうことがあるので注意が必要です。
- その重さ、毎日持ち歩けますか?
- 一般的に、高性能なレンズほど、重く、大きくなる傾向があります。どんなに素晴らしい写りでも、重くてカメラを持ち出すのが億劫になってしまっては本末転倒です。自分のライフスタイルや体力を考慮して選びましょう。
まとめ:レンズは、あなたの「好き」を写す鏡
いかがでしたか?これでレンズに対する知識が少し深まったのではないでしょうか?
以下の点をおさらいしましょう。
- まずはキットレンズで「焦点距離」と「F値」を意識して、自分の「好き」を知る。
- 利便性の「ズームレンズ」か、表現力の「単焦点レンズ」か、自分のスタイルで選ぶ。
- 購入前には「マウント」「センサーサイズ」「重さと予算」を必ずチェックする。
この記事が、あなたの「好き」を見つけるため、また「運命の1本」を探すお手伝いをすることができたなら嬉しいです!
それでまた!